Libre Officeの使い方やインストール方法!ソフトの入手先やシステム要件を解説!
Libre Officeは、Microsoft Officeとほぼ同じ使い方が出来る無料オフィスソフトです。公式サイトからLibre Officeをダウンロードする手順や使い方、日本語マニュアルのインストール方法などをまとめました。
目次
- 1無料オフィスソフトのLibre Officeとは
- ・どんなことができるソフト?
- ・Microsoft Officeとの違い
- 2Libre Officeが使えるシステム要件
- ・WindowsやmacOSなど複数のプラットフォームで利用可能
- ・AndroidやiOS版のアプリにも対応
- ・インストールしないポータブル版にも対応
- 3Libre Officeソフトのダウンロード方法
- ・公式サイトからダウンロードする方法
- ・窓の杜からダウンロードする方法
- 4Libre Officeのインストール方法
- ・インストール手順
- ・日本語版マニュアルは個別にインストールする必要あり
- 5Libre Officeの使い方
- ・表計算ドキュメントCalc(Excel)
- ・文書ドキュメントWriter(Word)
- ・プレゼンテーションImpress(Power Point)
- ・データベースBase(Access)
- ・補足:PDFファイルへのエクスポート機能も完備
- 6無料で使えるLibre Officeを活用しよう!
無料オフィスソフトのLibre Officeとは
Libre Office(リブレ オフィス)とは、The Documents Foundation(TDF)という有志のエンジニア団体によって開発されているオフィスソフトのことです。
オフィスソフトと言えば、多くの方がイメージするのはMicrosoft社の「Office」シリーズでしょう。文書作成や数式計算など様々な使い方に対応したMicrosoft Officeは非常に優れたソフトですが、利用するためにはMicrosoftに使用料を支払わなければなりません。
しかしLibre Officeは特定のベンダーに依存しないオープンソースのフリーソフトなので、以下のOSを搭載したパソコンがあればどなたでも無料で利用できます。
- Windows
- macOS
- Linux
無料ソフトに対して警戒心を持つ方がいますが、ご心配には及びません。Libre Officeのファイル形式は国際標準化機構(ISO)に認定されており、世界的信頼性を誇っています。
また、Libre Officeに約10年にものぼる長き歴史がある点も見逃せません。
- 2010年、サン・マイクロシステムズ社によって立ち上げられたオフィスソフト開発プロジェクト「OpenOffice.org」が、オラクル社による買収を契機に中断
- その後、「OpenOffice.org」プロジェクトのメインスタッフが独立して「The Documents Foundation(TDF)」を設立
- 肝心の開発者がいなくなってしまったため、オラクル社は「OpenOffice.org」プロジェクトをApacheソフトウェア財団に寄贈
その結果、「OpenOffice」と「Libre Office」という2種類の無料オフィスソフトが別々に誕生することになりました。どちらのソフトも、今日に至るまで世界中のユーザーから愛用されています。
どんなことができるソフト?
Libre Officeは以下の6種類のアプリによって構成されており、会社で必要とされる機能を一通り網羅しています。しかも無料で利用できるため、Microsoft Officeの代替ソフトとして利用されることが多いオフィスソフトです。
Libre Office | Microsoft Officeとの対応 | 機能 |
---|---|---|
Writer | Word | 文書作成ソフト |
Calc | Excel | 表計算ソフト |
Impress | PowerPoint | プレゼンテーションソフト |
Draw | - | 図形描画ソフト |
Math | - | 数式エディター |
Base | Access | データベース管理ソフト |
Microsoft Officeとの違い
Libre Officeは、機能やレイアウトなどの点でMicrosoft Officeと非常によく似ています。使い方もほぼ同じであり、長年Microsoft Officeソフトを利用している方でも違和感なく移行することが可能です。
しかし、Libre OfficeはMicrosoft Officeのコピーソフトではありません。最新版の両ソフトを比較すると、以下のような違いがあります。
Libre Office (バージョン6.3.2) |
Microsoft Office (2019/365) |
|
---|---|---|
メールクライアントソフトの有無 | 無し | 「Outlook」がある |
クロスプラットフォームでの使用 | どのOSでも同じ仕様で使える | Windows版とMac版ではインターフェイス等に違いが見られる |
WindowsとMacのサポートOS |
|
|
開発ソースコード | オープンソースなので、追加機能を無償かつ自由に利用可能 | クローズドソースであり、開発はMicrosoftによって行われる |
Microsoft Officeファイルのインポート・エクスポート | 可能 (ただしバージョンによってはエラーが出る場合もあり) |
可能 |
価格 | 永年無料 |
|
MS Office最大のメリットは「互換性」
— t_asa(from Qiitadon) (@t_asa2000) September 29, 2019
LibreOffice最大のメリットは「コスト削減」
Libre Officeが使えるシステム要件
Microsoft Officeが動作する環境なら、Libre Officeも基本的に問題なく使用可能です。OSごとの具体的なシステム要件は、以下の表を参照してください。
OS | システム要件 |
---|---|
Windows |
|
Mac |
|
GNU/Linux |
|
WindowsやmacOSなど複数のプラットフォームで利用可能
Libre Officeは特定のベンダーに依存しないことを目標に開発されているオフィスソフトであり、Windows・Mac・Linuxなど異なるプラットフォームでも同じ使い方が可能です。
一方、Microsoft OfficeもWindows PCとMacの両方で使うことは可能です。しかしMac版ではいくつかの機能が欠落しており、作業の一貫性が損なわれる恐れがあります。
AndroidやiOS版のアプリにも対応
Libre Officeはパソコン用のオフィスソフトですが、iPhoneやAndroidスマホでも一部の機能を利用できます。
その一つが、「LibreOffice Impressリモートアプリケーション」。スマートフォンやスマートウォッチからImpressの操作を行える無料アプリです。プレゼンテーションを行う際、このアプリを使えばスライドショーの進行などを遠隔操作することができます。
iOS版・Android版は以下のリンクからダウンロードできます。
また、Libre Officeのドキュメントを読み込むLibreOffice Viewerも開発中です。ただし、こちらのアプリはまだ実験段階で完成していないため、使用時に不具合が発生する恐れがあります。使い方にはくれぐれもご注意ください。
インストールしないポータブル版にも対応
USBメモリなどのデバイスから直接起動できるポータブル版のLibre Officeもあります。パソコンにインストール不要で使えるため、アプリデータを持ち運びたい時に重宝します。
LibreOffice Portableは、以下のリンクからダウンロードすることが可能です。「LibreOffice ××× Portable MultilingualStandard」または「LibreOffice ××× Portable MultilingualAll」のリンクをクリックしてください。
Libre Officeソフトのダウンロード方法
Libre Officeを使用するためには、まずLibre Officeソフトをダウンロードする必要があります。
Libre Officeソフトを提供しているダウンロードサイトは2つあり、それぞれのサイトで「最新版」と「安定版」の2種類のバージョンが用意されています。
追加機能をいち早く使える「最新版」をダウンロードするか、不具合が無いことをチェックされている「安定版」をダウンロードするか、好きな方を選択してください。
公式サイトからダウンロードする方法
一つ目のダウンロードサイトは、Libre Officeの公式サイトです。
以下のリンクにアクセスし、最新版(上)か安定版(下)か好きな方を選択しましょう。そしてプルダウンメニューから適切なOSを指定して、「ダウンロード」ボタンをクリックしてください。なお、ダウンロードは無料です。
窓の杜からダウンロードする方法
もう一つのダウンロードサイトは、Windows用の様々なソフトを紹介している「窓の杜」です。
以下のリンクにアクセスして、最新版の64ビット版か32ビット版、または安定版の64ビット版か32ビット版の横に配置されている「窓の杜からダウンロード」ボタンをクリックしてください。なお、ダウンロードは無料です。
Libre Officeのインストール方法
ダウンロードしたLibre Officeのインストーラをダブルクリックすると、Libre Officeのインストールが始まります。もちろん、インストールも無料なのでご安心ください。
ここからは、Libre Officeの具体的なインストール手順を見ていきましょう。
インストール手順
Libre Officeのインストーラーが起動したら、画面内の「次へ」をクリックしてLibre Officeのインストール作業を開始してください。
Libre Officeのセットアップの種類を選択してください。
「標準」のまま「次へ」をクリックしても構いませんが、ここでは「カスタム」を選択してみます。
オプションのコンポーネント・追加のユーザーインタフェース言語など、Libre Officeの任意のパッケージを選択してインストールすることができます。必要に応じて、インストール先も変更可能です。
セットアップの設定が完了したら、「次へ」をクリックしてください。
ファイルの関連付けを行います。各チェックボックスをオンにすると、WordやExcelなどのファイルをダブルクリックした際に、Microsoft OfficeではなくLibre Officeが起動するようになります。
不要な場合は、チェックを外した状態で「次へ」をクリックしてください。
ショートカットアイコンが必要な場合は「デスクトップ上にショートカットを作成」をオンに、パソコンを起動した際にLibre Officeを自動的にスタートさせたい場合は「システム開始時にLibre Officeを起動する」をオンにして、「インストール」をクリックしてください。
Libre Officeのインストールがスタートします。完了するまで気長にお待ちください。
「インストールウィザードを完了しました」というメッセージが表示されたら、「完了」をクリックしてウィンドウを閉じてください。
日本語版マニュアルは個別にインストールする必要あり
Libre Officeは海外製のオフィスソフトであり、デフォルトでは日本語版のマニュアルが付属していません。
オンラインヘルプを閲覧することは可能ですが、オフライン時に使い方が分からなくなったら困るので、併せて日本語版マニュアルもダウンロード・インストールしておきましょう。日本語版マニュアルも無料なので安心してダウンロードできます。
Libre Officeの公式サイトにアクセスし、「オフラインで使えるヘルプ:日本語」をクリックしてください。日本語版マニュアルのインストーラをダウンロード保存しましょう。
日本語版マニュアルのインストーラをダブルクリックしてください。日本語版マニュアルのインストール画面が表示されたら、「次へ」をクリックしましょう。
日本語版マニュアルのインストール先を指定します。特に変更する必要がなければ、そのまま「次へ」をクリックしてください。
「インストール」をクリックしてください。
日本語版マニュアルのインストールがスタートします。終了するまで気長にお待ちください。
日本語版マニュアルのインストールが終わったら「完了」をクリックしてください。
Libre Officeのヘルプを選択すると、オフライン状態でもLibre Officeの日本語版マニュアルを読むことができます。
Libre Officeの使い方
デスクトップに作成されたLibre Officeのアイコンをダブルクリックすると、Libre Officeが起動します。
画面左側のナビゲーションメニューから使用したいアプリケーションを選択すると、そのアプリが起動します。
ここからは、Libre Officeに搭載されている各アプリの基本的な使い方を見ていきましょう。
表計算ドキュメントCalc(Excel)
「Calc」をクリックすると、Microsoft OfficeのExcelでお馴染みの罫線で分割されたシート画面が表示されます。
各セルへの数値入力・関数・グラフ・オートフィルターなど、Excelの基本機能はほぼ全て網羅されています。
ただしマクロ機能に関してはExcelのVBAをそのまま流用するとエラーが出る可能性があるので、使い方に注意が必要です。また、入力したデータがセルに反映されるまで若干時間がかかるため、動作が遅いと感じるかもしれません。
文書ドキュメントWriter(Word)
「Writer」をクリックすると、Microsoft OfficeのWordと同じく、白紙の画面が表示されます。
テキスト入力・スタイル・文字装飾など、Wordの基本機能はほぼ全て網羅されています。自動文法チェックなど一部の使い方には非対応ですが、文書作成ソフトとして十分に利用できることでしょう。
プレゼンテーションImpress(Power Point)
「Impress」をクリックすると、テンプレートの選択画面が表示されます。任意のテンプレートを選んで「開く」をクリックするか、「キャンセル」を押してスキップしましょう。
Microsoft OfficeのPowerPointと同様、プレゼンテーションプロジェクトの作成画面が表示されます。
基本的な使い方もPowerPointと同じです。テキスト・図形・画像などをスライドに配置し、企画発表などのイベント時にスライドショーとして表示することができます。
データベースBase(Access)
Libre OfficeのBaseは特殊なアプリであり、使用するためには別途Javaをインストールする必要があります。
以下のリンクにアクセスして、「無料Javaのダウンロード」をクリックしてください。
「同意して無料ダウンロードを開始」をクリックしてください。
Javaのインストールウィザードが表示されたら、「インストール」をクリックしてください。
Javaのインストールが始まります。終了するまで気長にお待ちください。
「Javaが正常にインストールされました」というメッセージが表示されたら、「閉じる」ボタンをクリックしてウィンドウを閉じてください。
Libre Officeの「Base」をクリックすると、Microsoft OfficeのAccessと同じく、データベースの管理画面が表示されます。
テーブル・クエリ・フォーム・レポートなど、Accessの基本機能を一通り網羅しています。また、Calcファイルと連携させたり入力したデータをWriterに差し込んだりする使い方にも対応しています。
補足:PDFファイルへのエクスポート機能も完備
Libre Officeは、Adobe社によって開発されたPDFファイル形式でのエクスポート機能にも対応しています。
印刷レイアウトをPDFファイルとして保存・提出する使い方が可能なので、特に印刷業界で非常に重宝することでしょう。
無料で使えるLibre Officeを活用しよう!
今回は、Libre Officeの特徴や使い方などをご紹介いたしました。最後に本記事の要点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
- Libre Officeは、Microsoft Officeに匹敵する機能を実装した無料のオフィスソフト
- 有志のエンジニアによって特定のベンダーに依存しないソフトとして開発されているため、Windows・Mac・Linuxなど様々なOSのパソコン上で自由に使える
- Libre Officeは、公式サイトまたは窓の杜から無料ダウンロードできる(最新版または安定版のいずれかから選択可能)
- デフォルトでは日本語マニュアルが付属していないが、個別にインストールすればオフラインでも使い方を確認できるようになる
- 基本的な使い方はMicrosoft Officeと同じだが、一部対応していない機能があることに注意が必要
高性能な分Microsoft Officeは非常に価格が高いため、長期間利用すると経費がかさみます。オフィスソフトのコストを節約したい方は、ぜひ本記事を参考にしてLibre Officeを活用してみてください。