2019年04月25日更新
WeChat(微信)とは?無料通話/チャットできる中国版LINE?危険性も解説!
WeChat(微信)とは、チャットや無料通話ができるアプリのことです。中国で提供されているアプリで、日本でもダウンロードすることがあります。WeChat(微信)の中国版LINEと言い表される機能の内容や危険性について解説していきます。
目次
- 1WeChat(微信)とは
- ・無料通話やチャットができるSNSアプリ
- ・WeChatは中国版LINEとの声も
- ・WeChatとWeixinの違い
- 2WeChatで使える基本機能
- ・チャット
- ・連絡先
- ・モーメンツ
- ・トップストーリー
- ・マイウォレット
- 3WeChatとLINEの違いは?
- ・LINEのような既読機能がない
- ・色んな人と出会う機能
- ・お年玉が送れる紅包機能
- 4WeChatの登録方法
- ・iPhoneから登録する方法
- ・androidから登録する方法
- 5WeChatの危険性や注意点
- ・中国政府がメッセージを検閲している
- ・規制ワードを使用するとアカウント凍結
- ・紅包機能を利用した詐欺が横行している
- 6中国で人気のWeChatを要チェック!
- ・WeChatの記事が気になった方にはこちらもおすすめ!
WeChat(微信)とは
WeChat(微信)とは、中華人民共和国の企業であるテンセントが提供しているアプリのことです。相手とメッセージを送り合うことでコミュニケーションをとることができるアプリで決済の機能が充実していることもあって、中国での生活で重要な役割を果たしています。アプリは、基本無料で使用することができます。
2015年2月時点の発表では、登録ユーザー数が11億人を超えていると公表されています。WeChatは中国だけでなく、200の国・地域で使用することが可能です。さらに70を超える国・地域でナンバーワンのソーシャルアプリであるという結果を出しています。20以上の言語版があることから、中国だけでなく世界で使用されているアプリです。
中国では使用していない人はほぼいないとまで言われるのが、WeChatです。登録者数が多いのも特徴ですが、アクティブユーザー数の割合の高さも維持しています。
無料通話やチャットができるSNSアプリ
機能は、LINEなどの他のコミュニケーションアプリとほぼ同じです。チャット、ボイスメッセージ、無料通話、位置情報共有などを使用することで、知り合いを増やしたり相手にメッセージを送信したりすることができます。
グループチャットを作成することで、最大500人とコミュニケーションをとることが可能です。また音声・ビデオ通話では、高音質の状態で世界のどこにでも発信することができ、最大9人でのグループビデオ通話も可能です。
WeChatは中国版LINEとの声も
WeChatは中国版LINEアプリだとの認識を持つ人が多いです。LINEアプリで日本の多くの人が利用しコミュニケーションを取ることが日常化しているように、WeChatは中国で多くの人に利用され日常化しています。
LINEと大きく異なる点は、中国版WeChatでは決済やGPS機能を利用した便利な機能があることです。
WeChatとWeixinの違い
WeChatとWeixinの違いは、呼び方の違いです。WeChatとは国際版の呼び方で、Weixin=微信とは中国版の呼び方になります。
日本ではアプリをダウンロードしようとしたときに、ストアとアプリアイコンの表記がWeChatになっていることを確認できます。中国でダウンロードしようとしたときには、中国版表記の微信で表示されます。WeChatよりも、中国版の微信のほうが利用できる機能が多くなっています。
WeChatで使える基本機能
WeChatには知り合いを増やす機能とコミュニケーションをとるための機能があります。また、中国版の微信では支払い機能も充実しています。
中国のチャット機能では日本のLINEとちがい、携帯のボイスメッセージ機能がよく利用されています。これは公共の場所で話すことが日常化しているという文化の違いによるところが大きいです。
また、中国のビジネスの場では名刺交換と一緒にWeChat IDを交換する場面も多いです。名刺に連絡先として、WeChat IDのQRコードが書かれていることもよくあります。
WeChat(微信)がLINEと大きく異なる点は、支払い機能の充実です。ショッピング、チケットの予約、オンライン・オフライン決済など様々な場面で利用することができます。
アプリは20言語でローカライズされており、テキストメッセージの翻訳が可能です。世界で利用者の多いアプリであるという特徴を活かして、自国以外の人ともコミュニケーションをとることができます。
これらの機能が基本無料で使用することができます。詳しくそれぞれの機能を見ていきます。
チャット
チャットとは、LINEのトークに似た機能です。テキストメッセージ機能では、LINEのようにスタンプやGIF画像や絵文字がよく使われます。中国では文字で行うチャットよりも、音声を送り合って会話するボイスチャットを利用したコミュニケーションのほうが普及しています。
また、音声通話ビデオ通話も無料で使用することができます。チャットだけでなく、通話を利用したやり取りも多く利用されています。無料で通話ができるというのは大きなメリットで、通話機能を利用することで無料で国際電話までもが可能となっています。
連絡先
連絡先とは、知り合いや公式アカウントを管理することができる機能です。
QRコードのスキャンやシェイク機能を利用することで、相手と連絡先を交換することができます。シェイク機能とは、LINEのふるふると似た機能です。このQRコードのスキャン機能を利用して、中国の人達は普段からQRコードを読み込む際にはWeChatを使用して読み込みます。
モーメンツ
モーメンツとは、タイムライン画面です。写真、動画などを投稿することやお気に入りのモーメンツを共有することができます。LINEのタイムラインと似ていますが、自分の知り合いやフォローしている公式アカウント以外の投稿が流れてくることがないという特徴があります。
WeChatでは投稿内容の公開/非公開を詳細に設定することができます。特定の相手に投稿を全て非公開にする/作成したグループのメンバーにだけ非公開にする/作成したグループのメンバーにだけ公開にするが可能です。とくに設定せずに投稿する場合は、全ての人に公開されます。
トップストーリー
トップストーリーとは、ニュース記事を見ることができる機能です。LINEニュースに近いサービスになります。最新のニュースをいつでもチェックすることができます。
マイウォレット
中国版WeChatの微信では、WeChat Pay(微信支付)という機能が広く利用されています。WeChat Pay(微信支付)とは、決済機能です。中国では買い物、タクシー、公共料金、チケットなど様々な場面で利用されています。
日本でも中国の銀行口座を作り、WeChatと連携することで使用することができます。中国在住でない人が手続きすることは難しいため、その場合はWeChat Pay(微信支付)を使用している人から送金機能でお金を受け取ることでも利用することが可能になります。
WeChatとLINEの違いは?
LINEがメッセージをやり取りすることでコミュニケーションするアプリであるのにたいして、WeChatでは新しい知り合いを増やすための機能も搭載されています。
LINEのような既読機能がない
WeChatではLINEのような既読機能がありません。確認・返事を自分のタイミングで行うことができます。相手の反応を気にすることなく、コミュニケーションをとることができます。
色んな人と出会う機能
WeChatがLINEと大きく異なるのは、知り合いを増やす機能があることです。知り合いとスムーズにコミュニケーションをとるだけでなく、アプリの機能を通して新しく人間関係を広げていくことまでできます。GPS機能を利用することで、WeChatユーザー同士で繋がることを可能にしています。
ただし出会い系や詐欺に利用する人もいるため、実際にメッセージをやり取りするときや会うときには気をつける必要があります。
近くにいる人
GPS機能を利用することで、近くにいるWeChatユーザーを探すことができます。お互いに機能を使用することで表示されるようになります。GPS機能から相手との距離を知ることもできます。また、女性のみ男性のみに限定して検索することもできます。
近くにいる人の表示を選択すると、自分が今いる地点から距離が近い人順に一覧表示されます。自分が相手のアプリに表示されたくないときには、位置情報をオフにしておくことで表示されなくなります。
シェイク
シェイクとは、シェイクを利用している人同士で距離を知ることができる機能です。近くにいる人機能とはちがい、遠距離の利用者と繋がることもあります。LINEのふるふるのようにスマートフォンを振ることで利用することができます。
テレビ番組やセンサーと繋がることもできます。WeChatにはテレビ番組表から予約を行うことや、放送時刻になると知らせてくれる機能があります。そこにシェイク機能を使うことでプレゼント企画に応募することや商品の詳細を確認することが可能です。日本でのテレビリモコンのdボタンのような仕組みになります。
中国ではスマートフォンに反応するセンサーが店頭や店内に設置されていることがあります。そこでWeChatのシェイク機能を使うと、クーポンや店の案内や飲食店でのメニューなどを表示させることができます。
メッセージボトル
自分でメッセージを流したり、誰かのメッセージを拾ったりすることでコミュニケーションを広げる機能です。自分が流したメッセージを誰かが拾ってくれたときか、誰かのメッセージに返事を出したときにやり取りが始まります。この機能は、位置を知られることなく遠くの人と繋がることができる機能です。
ただし、いまはこの機能はなくなっています。
お年玉が送れる紅包機能
中国には紅包という文化があります。ご祝儀やお年玉、または春節のときに目上の人から目下の者にあげる赤い紙で包んだお金のことを意味します。紅包機能とは、WeChatでお金を送ることのできる機能のことです。金額を指定してお祝いのときに送るときに使います。
また、グループチャットでゲーム的に送り合う形でも利用されています。グループチャットでの会話の中で紅包が送られてくるので、開くを選択します。そうするとあらかじめ設定されている限度額の範囲でランダムに金額が決まり、それを受け取ることができます。
WeChatの登録方法
WeChatは日本でも無料でダウンロードすることができます。アプリ内の表示も公式サイトも日本語が用意されているので、スムーズに使用できます。中国でダウンロードする際には微信表記になっていますが、国際版ではWeChat表記です。”WeChat”で検索することでダウンロードすることができます。
国際版のWeChatではFacebookと連携することで、簡単に登録が完了します。
iPhoneから登録する方法
App StoreでWeChatと検索してください。表示されたアプリをダウンロードすることで登録できます。
androidから登録する方法
Google PlayストアでWeChatと検索してください。表示されたアプリをダウンロードすることで登録できます
WeChatの危険性や注意点
無料で利用することができて便利なWeChatですが、危険性も存在します。中国政府が関わっている危険性や送金機能による詐欺の危険性などです。どのような注意点があるのかを紹介していきます。
中国政府がメッセージを検閲している
WeChatではチャットなどでのメッセージを中国政府が検閲しています。これは中国のネットに対する検閲の方針によるものです。
中国では、60以上の条例が中国政府によって整備されていて、法律に従って中国政府、商社、団体などが検閲を実施しています。チャットでの反政府的な発言や政府に不都合な批判などは、数分で削除されてしまいます。
とはいえ、スパイや熱心な反共主義者でないのなら大きな危険はありません。しかし検閲を通して個人情報を把握されてしまう可能性があり、悪用される危険性が存在します。
規制ワードを使用するとアカウント凍結
WeChatのチャットや通話で規制ワードを使用してしまうと、アカウントが凍結される危険があります。反共産主義、民主主義、中国共産党、台湾問題などの国際問題、ポルノ、ギャンブルなどについて発言するのは危険です。
特に、天安門事件について、法輪功についてのワードは危険なので使用しないでください。具体的なキーワードだけでなく、連想させるような言葉・数字なども対象です。
紅包機能を利用した詐欺が横行している
紅包機能を利用した詐欺に出くわしてしまうことがあります。かわいい画像や親し気なメッセージの後に、紅包をちょうだいというメッセージで送金をねだるくれくれ詐欺です。
また、WeChatにある割り勘機能と組み合わせた詐欺もあります。割り勘機能とは、連絡先に入っている人を強制的に割り勘にすることができ、指定の金額を払うよう催促できるというものです。
割り勘では緑色の紅包のようなものが送られてきます。紅包だと思ってそれをタップすると、相手にお金をあげなければならないというものです。紅包は本来は赤い表示なのですが、紅包だと思って反射的にタップしてしまうことで詐欺の被害者になってしまいます。
中国で人気のWeChatを要チェック!
WeChatは、中国の人々の生活に欠かせない便利なアプリです。無料でメッセージや通話をやり取りすることができ、知り合いを増やす機能や決済機能も充実しています。危険な点もありますが、中国では使用していない人はいないとまで言われ、世界でも利用者の多いアプリです。これからも機能が充実していくアプリなので、注目してみてください。