AviUtlのカメラ制御の使い方!カメラ制御オブジェクトで3D編集する方法!
無料でクオリティーの高い拡張編集ソフトを探している場合は、「AviUtl」という無料で使える拡張編集ソフトがおすすめです。この記事では、AviUtlのカメラ制御の使い方、カメラ制御オブジェクトで3D編集するやり方をご紹介していきます。
目次
AviUtlのカメラ制御を使ってみよう!
誰でも簡単に動画編集が行えるようになった現代では、無料で使える動画編集ソフトがあふれています。無料でクオリティーの高い動画編集ソフトを探している方には「AviUtl(エーブイアイ・ユーティル)」という無料で使える動画編集ソフトがおすすめです。この記事では、AviUtlのカメラ制御の使い方、やり方、カメラ制御オブジェクトで3D編集する使い方、やり方をご紹介していきます。
AviUtlのカメラ制御とは?
まずはじめに、AviUtlのカメラ制御とは何かについて確認していきましょう。AviUtlのカメラ制御とは、3D編集を可能とするオブジェクトのことを意味します。この「AviUtl」という動画編集ソフトで動画編集する際は、通常「2D」を表現することしかできませんが、この「カメラ制御」という機能を利用して拡張編集することで、「3D」の拡張編集を用いた動画編集が可能になります。
3D編集を可能に!カメラ制御を使う方法
次に、3D編集を可能にするためのカメラ制御の使い方、やり方をご紹介していきます。
カメラ制御オブジェクトを追加する
まずはカメラ制御オブジェクトを追加しましょう。AviUtlのカメラ制御を使用するには、「カメラ制御」オブジェクトを「3D表現させたいオブジェクトの上のレイヤー」に追加しましょう。
「3D表現させたいオブジェクトの上のレイヤー」を追加するには、タイムライン上で右クリックし、表示されたメニューの中から「メディアオブジェクトの追加」を選択します。次に「カメラ制御」から「カメラ制御」を選択することで「カメラ制御オブジェクト」を追加できます。
カメラ制御を有効にする
次にカメラ制御を有効化しましょう。カメラ制御を有効化にして使用する際は、
各オブジェクトを「標準描画」設定から「拡張描画」の設定に変更する必要があります。ちなみに、標準描画は「2D」、拡張描画は「3D」のことを意味しています。
「標準描画」から「拡張描画」に設定を変更するには、設定ダイアログ右上に表示された「更新マーク」をクリックし、「拡張描画」を選択するだけで変更可能です。
AviUtlのカメラ制御の使い方
早速AviUtlのカメラ制御の使い方、やり方をご紹介していきます。この記事では、「カメラ制御を動かすやり方」「カメラ制御の表示モードを切り替えるやり方」の2つのやり方をご紹介していきます。
カメラを動かす方法
まずはじめに、カメラ制御を動かす使い方をご紹介していきます。
カメラ制御での見方
カメラ制御での見方として、「原点を中心に回転させる」「原点に接近・後退させる」というカメラ制御の使い方があります。AviUtlのカメラ制御は、ソフトの設定ダイアログのパラメータを変更することで、位置や視点を変更可能ですが、AviUtl本体のウィンドウからでも、位置や視点の変更操作が可能です。
原点を中心に回転させるようにカメラ制御を動かすには、「カメラ制御」オブジェクトを選択した状態にして、AviUtl本体のウィンドウにて「右クリックしながらドラッグ」という操作をすることで、選択した原点を中心にして回転させることができます。
原点に接近、後退させるようにカメラ制御を動かすには、「カメラ制御」オブジェクト選択した状態で、AviUtl本体のウィンドウにて「Ctrlキー+右クリック」で上下にドラッグするように操作することで、カメラ制御位置を原点から遠ざけたり、近づけたりするといった操作が可能になります。
カメラ制御の表示モードを切り替える
カメラ制御の表示モードを切り替えるやり方をご紹介していきます。「カメラ制御オブジェクト」をAviUtl本体に追加すると、AviUtl本体のウィンドウ画面右下にカメラ制御の表示モードが選べるようなウィンドウが表示されます。
万が一画面に表示されていない場合は、拡張編集のタイムライン上で「右クリック」から「カメラ視点GUIの表示」をクリックすると画面にカメラ制御の表示モードが選べるようなウィンドウが表示されます。
カメラモ-ド
カメラモードとは、通常のモードのことです。「カメラの視点」がそのまま表示されるモードです。このカメラモードで画面表示された視界が、エンコードの際に動画として出力されるようになります。
エディットモード
エディットモードとは、カメラ以外の第三者的な視点での視界が表示されるようになっているモードです。下に表示されている画像のような感じで「カメラ本体」がどのような方向を向いているのか、どの位置にあるのかが一目で分かるようになっています。
AviUtlのカメラ制御の設定ダイアログの変更方法
次に、AviUtlのカメラ制御の設定ダイアログの変更する使い方、やり方をご紹介していきます。
設定ダイアログの各パラメータ
ここからは、設定ダイアログの各パラメータについて解説していきます。
X
「X」のパラメータとは、カメラ制御をX軸方向に動かします。プラスの方向へ移動させられます。
Y
「Y」のパラメータとは、カメラ制御をY軸方向に動かします。マイナスの方向へ移動させられます。
Z
「Z」のパラメータとは、カメラ制御をZ軸方向に動かします。マイナスの方向へ移動させられます。
目標X
「目標X」のパラメータとは、カメラ制御の「原点」の位置をX軸方向に移動させます。プラスの方向へ移動させられます。
目標Y
「目標Y」のパラメータとは、カメラ制御の「原点」の位置をY軸方向に移動させます。マイナスの方向へ移動させられます。
目標Z
「目標Z」のパラメータとは、カメラ制御の「原点」の位置をZ軸方向に移動させます。マイナスの方向へ移動させられます。
目標レイヤ
目標レイヤでは「カメラを向ける対象」を選択可能です。対象の種類としては以下の3種類があります。
- 原点基準:「目標X、Y、Z」で設定した地点が原点となる
- カメラ基準:「カメラ制御」オブジェクトのあるレイヤーを指定し、カメラ制御が常に正面(-Zから+Z方向)を向くようになる
- レイヤー基準: オブジェクトが設置されてあるレイヤー数を指定することで、指定したレイヤー上にあるオブジェクトの位置が原点になる。また、オブジェクトが設置されていないレイヤーを指定することで「0」を指定したのと同じ扱いになり「原点基準」となる
傾き
「傾き」のパラメータとは、カメラ本体を回転させます。360度でカメラを回転させることが可能です。
震度ボケ
「震度ボケ」のパラメータとは、設定した原点より手前、奥側(Z軸の方向)にある対象のオブジェクトをぼかすような設定ができます。中心のオブジェクトを目立たせたい場合に使えます。
視野角
「視野角」のパラメータとは、カメラ制御の見える「範囲」の設定ができます。設定を大きくすればするほど、パノラマ写真のような感じで視野が広がります。
対象レイヤー数
「対象レイヤー数」のパラメータは、カメラ制御の対象とするレイヤー数を決める設定です。
レイヤー1:1つ下のレイヤーだけが、カメラ制御の対象となる
レイヤー2:1つ下、2つ下のレイヤーが、カメラ制御の対象となる
レイヤー3:1つ下、2つ下、3つ下のレイヤーが、カメラ制御の対象となる
設定なし:カメラ制御オブジェクトより下のレイヤー全てが対象となる
Zバッファ・シャドウマップ
「Zバッファ・シャドウマップ」のパラメータとは、このパラメータのチェックを外すことで。Z軸の値に関係なく、設定した「レイヤーの順番」でオブジェクトが表示されるようになります。
AviUtlのカメラ制御で使える効果
次に、AviUtlのカメラ制御で使える効果をご紹介していきます。
カメラ効果
まずはじめに、「カメラ制御効果」についてご紹介していきます。カメラ制御効果には、以下の3種類があります。
- 手ぶれ
- 目標中心回転
- 目標サイズ固定視野角
それぞれの制御効果について、効果ごとに分けてご紹介していきます。
手ぶれ
まずご紹介するカメラ制御効果は「手ぶれ」です。「手ぶれ」という制御効果は、まるでカメラを実際に持った状態で撮影しているような手ぶれ感を表現できる効果です。以下の画像が手ぶれの設定ダイアログとなっています。
手ぶれの設定ダイアログの「振幅」を調節することで、手ぶれの振れ幅を設定できます。手ぶれの数値は「0から100」まで設定可能で、設定した数値が高いほど手ぶれが大きくなります。なお、手ぶれ初期設定では「10」になっています。
手ぶれの設定ダイアログの「角度」を調節することで、画面全体に手ぶれの角度をつけられます。手ぶれの数値は「0から180」まで設定できます。
手ぶれの設定ダイアログの「間隔」を調節することで、手ぶれの激しさ、手ぶれの間隔を設定できます。手ぶれの数値は「0~100」まで設定ができ、こちらは数値が小さくなるほど手ぶれが激しくなるような設定ができます。なお、初期設定では「50」になっています。
目標中心回転
次にご紹介するカメラ制御効果は「目標中心回転」です。「目標中心回転」という制御効果は、目標を中心にし、オブジェクトを横に回転させたり、縦に回転させたりできるような制御効果です。以下の画像が目標中心回転の設定ダイアログとなっています。
「水平回転」は、文字通りオブジェクトを中心に横に回転します。「垂直回転」も、文字通りオブジェクトを中心に縦に回転します。
目標サイズ固定視野角
次にご紹介するカメラ制御効果は「目標サイズ固定視野角」です。「カメラ制御」のパラメータ項目の1つとなっている「視野角」を調整した場合、目標のオブジェクトのサイズが変わってしまいます。
「目標サイズ固定視野角」をうまく調節することで、目標となるオブジェクトのサイズはそのままの状態にし、視野角だけを変更できるようになります。
数値は「-120から+120」までの範囲で設定可能です。なお、初期設定では「0」になっています。
シャドー
次にご紹介するカメラ制御効果は「シャドー」です。「シャドー」という効果は、オブジェクトに影を付けることができる制御効果です。
シャドー効果を追加するには、タイムライン上で右クリックし、「メディアオブジェクトの追加」のメニューから「カメラ制御」を選択し、「シャドー(カメラ制御)」をクリックしてオブジェクトに影の設定を施します。以下の画像がシャドーの設定ダイアログとなっています。
「光源X、Y、Z」のパラメーターを調節することで、光をどの角度から当てるかという光源の位置を設定できます。使用できる光源は「X,Y,Z」の3種類あり、パラメータは「-2000から+2000」までの範囲で設定ができます。なお、初期設定の段階では、光源Xは「1000」、光源YとZは「ー2000」の設定です。
「濃さ」のパラメーターを調節することで、影の濃さを調節できます。濃さを調節する数値は「0から100」まで設定可能で、設定する数値が高くなるほど影の色が濃くなります。なお、初期設定の段階では「40」になっています。
「精度」のパラメーターを調節することで、影をどれだけしっかり動画に表示させるかを調節できます。精度を調節する数値は「20から100」まで設定可能で、設定する数値を高くするほどよりくっきりとした影となり、数値を下げるほど、表示される影はぼやけた印象になります。
スクリプト
次にご紹介するカメラ制御効果は「スクリプト」です。「スクリプト」という制御効果を使うことで、カメラ制御オブジェクトをスクリプトを通じて操作ができるようになります。
スクリプト効果を追加するには、タイムライン上で右クリックし、「メディアオブジェクトの追加」を開きます。メニューから「カメラ制御」をクリックし「スクリプト(カメラ制御)」をクリックします。スクリプト設定のダイアログは以下の画像のようになっています。
フィルタ効果を追加する
カメラ制御のオブジェクトの設定ダイアログから、フィルタ効果として追加することもできます。
オブジェクトの設定ダイアログからフィルタ効果を追加するには、設定ダイアログ右上の「+(プラス)」をクリックし、表示されたメニューの中から「カメラ制御効果」「シャドー」「スクリプト」を選択しましょう。
AviUtlのカメラ制御が効かない場合
最後に、AviUtlのカメラ制御が効かない場合の対処法をご紹介していきます。
カメラ制御の対象に設定する
まずはカメラ制御の対象に設定しましょう。カメラ制御の効果を反映するには、カメラ制御の効果範囲に対象のオブジェクトを置くだけではなく、置いたオブジェクトを「カメラ制御の対象」に設定しなければなりません。
置いたオブジェクトを「カメラ制御の対象」に設定するには、3つの方法があります。
オブジェクトを右クリック
置いたオブジェクトを「カメラ制御の対象」に設定するには、設定したい効果範囲内に置いたオブジェクトを右クリックし、「カメラ制御の対象」をクリックしましょう。
オブジェクトの設定ダイアログのカメラマークをクリック
置いたオブジェクトを「カメラ制御の対象」に設定するには、設定したい効果範囲内に置いたオブジェクトの設定ダイアログを開き、左上に表示されるカメラ制御マークをクリックしましょう。 カメラ制御マークをクリックすると色が濃くなります。
オブジェクトの設定ダイアログの拡張描画をクリック
置いたオブジェクトを「カメラ制御の対象」に設定するには、設定したい効果範囲内に置いたオブジェクトの設定ダイアログを開き、右上に表示されるマークをクリックしてから「拡張描画」をクリックしましょう。
オブジェクトを拡張編集モードにする
最後に、AviUtlのカメラ制御が効かない場合、オブジェクトが拡張編集モードになっていない場合が考えられます。拡張編集モードに設定しない限り、拡張編集を持ちいた編集ができません。オブジェクトが拡張編集モードに設定されているかを確認してみましょう。
AviUtlのカメラ制御を使ってみよう!
この記事では、AviUtlのカメラ制御の使い方、カメラ制御オブジェクトで3D編集するやり方をご紹介してきました。AviUtlの拡張編集を用いた3D編集の使い方やパラメーター設定のやり方に慣れるまで少し時間はかかりますが、積極的にAviUtlのカメラ制御を使って拡張編集に挑戦してみましょう。